2023年6月10日、生駒市自治会の方々と生駒市役所の担当者様の20名弱が、関市のまちづくりを視察に来られました。他自治体の研修旅行とのことですが、生駒市といえば「自治体3.0」。生駒市長である小紫雅史氏が執筆した『生駒市発!「自治体3・0」のまちづくり』を筆頭に、「市民と行政が手を取り合う先進地区」として有名な自治体です。
そんな生駒市の方々が、関市に……
光栄な気持ちと「何か持ち帰ってもらえるものはあるのか」と心配な想い、どのメンバーも似たような心境で、当日はせきてらすへ。
最初に「関市まちづくり協議会」の成り立ちから現在の活動についてご説明。
その後、お互いの抱えている課題と今後の取り組みについて、意見交換。
生駒市では「市民自治協議会」を立ち上げようとしているものの、各地でさまざまな課題があるとのことです。
- 準備会止まりでなかなか進まない
- 条例など規制が多い
- 自治会加入率77%、自治会加入者以外の住民や店舗等も巻き込める方法はないか
- 各種団体が既に担い手となっている ……など。
生駒市の目指す「市民自治協議会」と似ているかもしれないと、関市の「地域委員会」の成り立ちや特色もご説明しました。「地域委員会」は尾関市長の市政で発足、各地域ごとの課題解決や活性化・交流を目指し、行政予算が年300万円+指定管理委託料が出ている事業です。まもなく鮎ノ瀨地区の委員会も揃い、ようやく関市全域が網羅されます。
「関市まちづくり協議会」は行政の予算は一切なく、規制を受けない自由さがありますが、活動予算を自分たちで準備しなければなりません……。
「ここ数年、選挙や議員との対話に関する活動をしている理由は?」との質問もいただきました。現会長の吉田が「昔に比べて、実際に動けるメンバーも予算も少なくなっている。最小の力で最大の効果を狙うために、若者と政治に焦点を絞った」と、その背景を話しました。
「市民と行政を繋ぐのは議員の役割とも思うが、確かに特定の派閥や政党に偏ることなく、市民が政治についてオープンに話せる場は必要」「政治と市民が離れていることは生駒市でも懸念されている」などのコメントをいただきました。
「自治会未加入者を巻き込む方法はないか?」との質問には、「若い世代が見る可能性のあるWebサイトやSNSに発信をする」「岐阜市の金華まちづくり協議会では、全組織を網羅したHPがある」などの声、それでも最後はやはり直接の声かけが効果的なため「自ら地域内外を散策し、面白い人に声をかけに行く(アウトリーチ)」など。
「市民活動においては、テーマの設定が大切(地域と時勢に沿ったテーマが選別されることによって市民が集まり団結できる)」との意見もありました。
「キーパーソンをどのように探したらいいのか?」との質問には、「地域でお祭りをしましょう」の声。これまで自治会が担ってきた模擬店の出店も、あえて未加入者に声をかけて任せてみる!といった工夫もひとつの手かもしれません。
その他、
「市は『年間100のイベントを!』を推奨しているが、開催されるイベントは単発止まり。イベントを継続していくコツは何か?」
「団体が増えるにつれて、それぞれの活動内容が重なりがち。加入する人数は減っており、人の負担が増えている気がする」
など、多くの自治体にも通じるであろう質問や課題が飛び交っていました。
予定時間を30分ほど超過、真剣に対話しながら笑いもあり、とても有意義な交流会となりました。
生駒市の皆さん、ご来訪ありがとうございました。
対話を厚く支えてくださった関市自治会連合会・会長の遠藤俊三さん、関市まちづくり協議会・元会長(3代目会長)の遠山義勝さん、本当にありがとうございました。
引き続き、お互いの地域活性に向けて、また情報交換できたら幸いです。